男子日本代表:「日本バスケの素晴らしさを世界に示すことはできた」トム・ホーバスヘッドコーチ
2024年8月6日
パリ2024オリンピックを戦い終えた男子日本代表が無事帰国。トム・ホーバスヘッドコーチ、渡邊雄太選手、河村勇輝選手が語る3連敗から見えた課題や収穫、応援いただいたファンの皆様へのメッセージをご紹介します。
トム・ホーバスヘッドコーチ
目標のベスト8を達成できなかったのは本当に残念です。しかし、日本バスケの素晴らしさを世界に示すことはできたと思っています。選手たちの戦うエネルギーやバスケ自体も素晴らしく、すべてを出し切りました。世界最高のメンバー、ベストチームが出場するオリンピックで勝つことは簡単ではありません。でも、ドイツ戦は第4クォーター途中まで競った試合ができ、フランス戦は最後の最後までどちらに転ぶか分からなかったです。ブラジル戦も第4クォーターに2点差まで追い上げました。いずれも負けてしまったのは悔しいですが、最後まで本当にがんばって戦ってくれた選手たちを誇りに思います。
フランス・リールでの試合を、どれほど日本のファンが見てくれているのか最初は分かりませんでした。でも、羽田空港に着いたときに多くのファンの方が出迎えてくれて本当にビックリしました。バスケが日本のメジャースポーツになったのではないかな、と感じることができました。本当に多くの皆さんのサポートがうれしいです。
#12 渡邊雄太選手
このチームの一員として戦えたことを本当に誇りに思います。3試合の戦い方を含めて、日本が今までよりも強くなったことはいろんな経験をしながら感じてきた過去の敗戦と比べても、成長できた部分は感じることができました。そこはプラスになったと思いますが、ベスト8の目標に到達できなかったことと、結果的には前回のオリンピックと同じ3連敗という現実は変わらないので、その悔しさはすごく残っています。でも、みんなが最後までしっかりと自分たちのやるべきことに集中して、コートでプレーできたと思っているので、これをきっかけに日本がより強くなれると感じました。
僕自身は6月初旬に最初のケガをし、もう一度ケガをしたときにはかなり絶望的でした。間に合わないと思ったほどのケガでしたが、トレーナーの皆さんがオフを献上して、僕につきっきりで朝から晩まで足を診てくれたことで、セルビアとの強化試合から復帰することができました。あのタイミングで復帰できるようなケガではなかったはずなので、それほどトレーナーの皆さんが本気になってプレーできるところまで向き合ってくれたことに感謝したいです。
どの試合も日本の歓声がすごかったです。フランス戦はもちろんアウェイでしたが、僕たちの良いプレーに対する歓声がすごくて、試合をしていてもアウェーと感じないくらい日本への応援もすごかったです。現地に来られなかった方々も、日本から応援してくださっていることはたくさん感じていました。応援してくれている皆さんのおかげで、僕たちもがんばれるので感謝しかないです。
#5 河村勇輝選手
目標としていたベスト8を達成できず、悔しい気持ちいっぱいです。最初にトムさんが言った『SHOCK THE WORLD』を目指し、結果としては3連敗に終わりましたが、日本のバスケットボールがどんなものなのか、進化した姿は世界中に伝えられたのではないかと思います。あとは結果を出すだけであり、良いところもあれば、3連敗したことで足りない部分もありました。このオリンピックのおかげで、必ず日本がもっともっと強くなるきっかけになると信じています。
昨年のFIBAワールドカップからこのオリンピックでよりチームは良くなったと思います。一人ひとりが毎日、昨日の自分よりもレベルアップして行く気持ちを持って過ごしていく積み重ねが、これから1年後や2年後にまた大きなものになります。3年後のFIBAワールドカップや4年後のロサンゼルスオリンピックに向けて、1日1日の積み重ねを大切にしながら過ごしていきたいです。
ファンの皆さんには本当に感謝しかないです。3試合ともホームではないかと感じるぐらいの声援と雰囲気でした。僕たちが流れに乗れそうなときも、苦しい時間帯も常に大きな声で応援し続けてくださって、最高の状態で試合することができました。日本からもたくさんの方に応援してもらっていることを、僕たちはすごく感じていました。だからこそ、結果で恩返しをしたかったという悔しい気持ちはあります。ファンの皆さんの応援はかけがえのない素晴らしいものだったと感じています。