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女子日本代表:日本 76-102 アメリカ「シュートタッチは良かったですが、チームとしてうまく攻めることができませんでした」山本麻衣選手

2024年7月30日

 女子日本代表もパリ2024オリンピックの開幕を迎え、東京2020オリンピックの決勝で対戦して以来となる大会8連覇を目指す絶対女王のアメリカ戦。3年前は15点及ばずに敗れましたが、開幕戦は76-102と26点差をつけられ、1敗目を喫しました。

 前半は#23 山本麻衣選手の3本成功を筆頭に日本の武器である3ポイントシュートを9本決め、39-50と11点差を追いかけます。「相手のトランジションオフェンスに対して、ディフェンスでプレッシャーをかけてリズムを崩すこと」を恩塚亨ヘッドコーチはテーマとし、前半は遂行できていた時間が多かったことを評価します。

 これまでのリオ2016オリンピックや東京2020オリンピックの過去2大会でも、前半はアメリカに冷や汗をかかせることはできていました。「アメリカが後半に強いのは分かっていましたが、そこで自分たちのバスケができず、相手に走られて簡単にシュートを決められてしまいました」と山本選手が言うような展開になります。勝負の第3クォーターでしたが、アメリカに速い展開を許し、この10分間だけで18-29。さらに11点を上乗せされ、57-79と点差が開きます。「自分たちのオフェンスでやられてしまったり、リバウンドを取られたり、ミスからブレイクに持って行かれたりした部分がこの点差として響いてしまいました」と#8 髙田真希選手は敗因を挙げ、76-102で世界一の壁を乗り越えることはできませんでした。

 日本が勝機を見出すためにも上回らなければならないファストブレイクポイント(5-17)や、ターンオーバーからの得点(7-16)はいずれもアメリカが圧倒。さらにペイントエリア内の得点は22-64、リバウンドは27-56でゴール下はアメリカに支配されます。オフェンスの終わり方が良くなかったことでディフェンスの体制を整えられなかった場面も多く、「孤立したタフなシュートになってしまったり、シュートブロックからそのまま走られてしまったり、最後まで良い選択をするオフェンスにこだわっていきたいです」と恩塚ヘッドコーチは修正点を挙げます。

 8本の2ポイントシュートをすべて決め、24点の活躍でチームを引っ張った髙田選手は、オフェンスがスムーズに入れなかったときに「1on1になってしまったことでミスにつながったり、タフショットとなったりしてボールを奪われ、トランジションを出されてしまいました。前半もそうでしたが、疲れてきたときに合わせがうまくいかなかったです」と振り返ります。3ポイントシュートを5本成功させ、17点を挙げた山本選手も「シュートタッチは良かったですが、チームとしてうまく攻めることができませんでした。最終的に1on1になり、もう少しチームとして攻められるようにしていきたいです」と話し、金メダルへ向かって明確な課題が見えたのは収穫です。

 3年前から成長した点について恩塚ヘッドコーチは、「シューターがしっかりシュートを打てるように、アベレージ高く打てるように意識して合理的な判断をして、シュートチャンスを作り出すことは増やせていました」と述べます。前回の対戦では8/31本(25.8%)だった3ポイントシュートは、15/39本(38.5%)と成功数も確率も上向いています。#13 町田瑠唯選手は2本成功させ、髙田選手も2/3と確率良く決めました。その2人とともに3度目の舞台を踏む#52 宮澤夕貴選手は3ポイントシュートを狙いつつ、相手のディフェンスを引きつけてエクストラパスを出し、仲間を生かして2本のアシストを演出したのも成長した姿です。黒星が先行して開幕しましたがすべてを糧とし、アメリカにリベンジするためにも負けられない戦いのはじまりです。

 次戦の相手は83-69でベルギーを下し、初戦で初勝利を挙げて勢いに乗るオリンピック初出場のドイツ。山本選手は「あと2試合を勝つしかないので、しっかりリカバリーして、チームとしてやるべきことを確認して全員で戦っていきたいです」と気持ちを切り替え、まず1勝目をつかみにいきます。

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