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男子日本代表:日本 84-102 ブラジル「この経験が次の世代に生きてくる」富樫勇樹選手

2024年8月2日

 予選グループフェーズ最終戦は、男子日本代表と同じく勝ち星のないブラジルと対戦。目標に掲げるベスト8へ向け、準々決勝の会場となるパリへ行くためにも勝たなければなりません。それはブラジルにとっても同じであり、1勝を目指して譲らぬ攻防が繰り広げられました。ディフェンスでもリバウンドでも互角の戦いを見せ、第4クォーター中盤まで5点を追いかけます。しかし、終盤にブラジルが抜けだし、結果は84-102。3連敗の日本はグループB・4位が確定し、予選敗退。東京2020オリンピックと同じ結果に終わりましたが、「日本のバスケを見せることはできたと思います」と#2 富樫勇樹キャプテンは胸を張り、何度も世界に挑み続けてきたことで確実に成長は見られています。

 前半、ブラジルは13本中11本の3ポイントシュートを決め、85%と驚異的な成功率に驚かされました。「そこまでシュートが入っているチームを止めるのは簡単ではないです」という富樫選手も相手を称えるしかありません。第2クォーターは#14 レオナルド・メインデル選手に3ポイントブザービーターを決められ、44-55と11点差で前半を終えます。「それでも食らいついて戦ったこのチームをすごく誇りに思います」と富樫選手は続け、第3クォーターの反撃がはじまりました。

 ケガで戦列を離れた#8 八村塁選手の穴を全員で埋めるべく、#18 馬場雄大選手が3ポイントシュート3本を成功させ、11点と二桁の活躍。後半だけで5本の3ポイントシュートを決めた#24 ジョシュ・ホーキンソン選手は26点、10リバウンドでドイツ戦に続くダブルダブルを達成。#12 渡邊雄太選手は9リバウンド、3ブロックと気を吐き、ディフェンスから流れを引き寄せます。

 第4クォーター、ホーキンソン選手の3ポイントシュートで先制すると76-77、1点差まで追い上げます。このシュートまでの後半は70%の3ポイントシュート成功率を誇り、ターンオーバーも1本だけ。ミスなくプレーできれば世界とも互角に戦えることは、ブラジル戦以外でも証明できました。「ペイントアタックに意識を切り替えたことによって、チームとしてワイドオープンの3ポイントシュートを演出できたり、単発なシュートが減ったり、巻き返すことができた時間帯はそこがうまく生かせたと思います」と10アシストを記録した河村選手も、21点と合わせてダブルダブルの活躍。しかし、最後に引き離され、84-102と18点差で敗れました。渡邊雄太選手は「終盤の戦い方は成長しなければならず、足が多少は止まってしまい、それが原因でターンオーバーやタフショットにつながっていた部分もありました。終盤の苦しい場面でもう一歩足を動かせるかどうかが、次のレベルに行くための試練です」と世界トップ12の強豪と真剣勝負を渡り合えたからこそ、その差を痛感します。

 河村選手も、「一時は逆転できそうなところまで行きましたが、あと1本ここで決めれば、相手のオフェンスを1本止めれれば良かったですが、自分たちの流れが来るところで決められたり、自分たちが決められず、その積み重ねが最後の点差になってしまったと思います。たかが1本ではありますが、そこが世界との差だと感じました」と冷静に振り返ります。悔しい結果ではありましたが、「日本が目指してきた方向は間違っていなかったです。はじめてのオリンピックでしたが、想像以上に日本と世界の差が縮まっていることも感じられました。この経験を必ず無駄にせず、このオリンピックがあったからこそ成長できたと言えるようにしたいです」と続け、ここがスタートラインです。

 ベスト8の目標を達成できなかったことを悔やむトム・ホーバスヘッドコーチは、「ドイツ戦も今日もほぼ20点差でしたが、両方とも第4クォーター途中までは良い試合ができていました。リズムが良くないときに修正できなければ、このレベルのチームが相手ではやっぱり難しくなります。目標は達成できなかったですが、ベスト8に近づく戦いはできたと思っています」と世界から勝利を得るための道は開拓されました。

 「これが今の実力ですし、結果がすべてですのでそれを受け入れるしかありません」と富樫選手は足元を見つめつつ、「この経験が次の世代に生きてくると思っています。全員が努力してくれました」と仲間たちを労い、これからも一緒につないでいくことでこの大舞台で勝つ日が必ずやって来ます。

 完全アウェーだったフランス戦も含め、多くの日の丸を振って応援してくれたファンの方々にチーム全員が感謝しています。皆さんの勇姿はFIBA大会サイトのフォトギャラリーに掲載されています。

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